毎日満員電車に揺られて家と会社の往復。この生活から抜け出したいと思うサラリーマンも多いはず。かつて私もその一人だった。それが今では一応サラリーマンを卒業して、「セミリタイアラー」の仲間入りを果たすことが出来た。今回は、どうやって資金作りをしたかを記してみたい。
リーマンショックで目覚める
偉そうに書いているが、以前の私は典型的な「浪費型駄目リーマン」だった。そこそこの収入は貰っていたが、無計画に浪費を繰り返し、貯金も雀の涙しかなかった。そんな私が目覚めたは、ご多分に漏れず「リーマンショック」。と言っても経済危機で将来に不安を抱いたわけではない。ショックを受けたのは、日本の金融業界が「とんでもなく遅れいる」ことに気付いたから。日本の金融業界は、1997年の山一ショック以来、不良債権の処理に追われ、将来への投資がほとんど全てなおざりになっていた。リーマンショックで世界を震撼させたデリバティブズ商品の内容を見て、遅まきながら「世界から2周遅れになっている」ことに気付いた。一応1990年代までは、何とか世界の最先端の金融にキャッチアップしようとしていたが、リーマンショックで思い知らされたのは、「もう世界に追いつくのは無理」。このことに気づいてから「仕事へのモチベーション」が急速に萎えていった。
一応は管理職だったので、このままダラダラ働き続ければ、何とか60歳の定年までは首を繋ぐことが出来きる。その後は、延長雇用で65歳まで事務作業をし続ければ、生活は何とかなる。ただ、事務作業自体もIT化で徐々に減少。正直「つまらない」との思いが沸々と湧いてきた。そこでぼんやりと「セミリタイア」の文字が頭に浮かんできた。
セミリタイア資金には、総額1億円必要
まず最初にに手を付けたのが、セミリタイア資金の計算。エクセルで将来必要な資金をざっくり計算してみた。仮に50歳でセミリタイアした場合、平均寿命+αで85歳まで生きると想定。いくら必要かを計算してみた。
条件としては、必要な生活費、月額25万円、年300万円、年数は35年とした
最小必要資金:生活費月額25万円×12ヵ月×35年=1億500万円
月25万円の生活費が高すぎると思う人も、これでは足りない思う人もいるだろう。もちろんこれは最低必要額で、このほかに病気の治療代や、家電の買替、旅行などの娯楽費は一切含んでいない。それでも、取り合えず1億円必要なのかと驚いだ記憶が。
退職金、年金の額を確認
ただ、よく考えてみれば、普通に退職しても年金と退職金が貰える(はず)。ということで、次に確認したのは、退職金と年金の額。退職金は、約2000万円と仮定した。公的年金に関しては、年金定期便と年金ネットでシミュレーションし受給見込み額を月15万円(年間180万円)と計算。さらに企業年金があることからこれも計算に入れた。
セミリタイア必要資金 | 1億500万円 | 月25万円、年300万円、35年 |
退職金 | 2000万円 | 50代で退職したいとして概算(税込) |
公的年金(65歳から) | 3600万円 | 月額15万円、年180万円で概算(税込) |
企業年金(60歳から) | 2400万円 | 月額10万円、年120万円で概算(税込)企業年金は20年間受給すると仮定 |
差引必要額 | 2500万円 |
2019年に炎上した、年金以外2000万円必要騒動と、図らずも同じような金額になってしまた。もちろん85歳以上に長生きした場合には、貯金ゼロで、公的年金だけになってしまう。実際は税金や、健康保険などの社会保険料が差し引かれるので、手取り金額はこれより少なくなる。非常にざっくりな計算だが大雑把なイメージを掴む程度は出来る。
年金受給までのCFを計算
次に65歳の公的年金受給までのキャッシュフローをざっくり計算した。退職してから、公的年金の受給開始の65歳まで、最悪の場合無収入になると仮定。50歳から65歳まで15年間の必要生活費を計算した。
必要額 | 4500万円 | 年間300万円×15年 | |
退職金 | 2000万円 | ||
企業年金 | 600万円 | 年間120万円×5年 | |
必要額 | 1900万円 |
貯蓄プランの策定
セミリタイアに必要な最低限の資金がざっくりながら見えてきたところで、貯蓄目標を必要最低額2500万円に設定して貯蓄プランを立てた。
目標貯蓄額 | 2500万円 | 最低必要額2500万円を目標に設定 |
貯蓄期間 | 10年 | 40歳から50歳までの10年 |
年間貯蓄目標 | 250万円 | |
月間貯蓄目標額 | 約21万円 |
もっと早く、10年前に始めていれば、月11万で済んだところが、貯蓄期間10年だと月21万円必要。正直、当時はかなりきついと感じたが、ボーナスを全額貯金に回せば達成可能と考えて実行することを決意した。
とにかく見える化が重要
一応は大企業の正社員でバツイチの独り身、子供なし、住宅ローンもなし、という身軽な身の上という世間一般からしたら非常識な状況だから可能な話。生活に追われる自分には到底無理と感じた人も多いかもしれない。が、とにかく「見える化」が大事。実際の具体的な数字に落とし込んでみないことには、将来の具体的なアクションプランにつながらない。
今は、エクセルやGoogleのスプレッドシートを使えば、誰でもシミュレーションが出来る。会社に行きたくないと思っている人は、一度計算してみては如何でしょうか。
続く:どうやって貯金を増やしたか編
次は、貯蓄を実行するうえで、やったこと編
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